小学生時代
追想だけが今の救い。
思い出だけで生きているような。
それも、大人になってからの記憶じゃない。
子供の時、主に小学生時代のこと。
いや、主にじゃない。
小学生時代のことだけを考えている。
その時が全部よかったわけじゃない。
失敗作の人間だから、子供の時からも後悔しないではいられないことは多い。
でも、思い出してもぎりぎり耐えられるくらいのことしかしていない。
いや、そうでもないか。
とても傷付けたこともあった、気がする。
人を思い出さなければ、割と楽なのかもしれない。
そう思い、この頃は校舎の隅々までを思い返している。
職員室、図書室、視聴覚室、書道室、理科室、音楽室、もちろん教室。
校舎のどこに何があったか。
思い出すだけでも、多少癒される。
なんで思い出はこんなにも優しいのだろう。
時の経過で丸くなったからだけではないように思える。
昔、優しさは今よりももっとあったのかもしれない。
それを感じる受容体もより多く。
なぜ、どこで失ってしまったのか。
それを考えるためにもまた、思い出の中に行く。