鬱な現実~うつしぐさ~

うつ病者及びスキゾイド症者の語るしくじりだらけの人生

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

席替え

高校時代、あまりに悲惨で出来るだけ思い出さないようにしていた時期。 ずっと記憶の奥底に沈め、封印して来た。 それでも何かの折に、見たくもないシーンが脳裏に漏れだしてくることもあった。 そういった記憶の断片を振り切って逃避する生活が長く続き、現…

体罰 後編

その翌日の昼休み、梅本君と私は校庭の端っこで、例のボールを使って懲りずにPKごっこをしていました。 今度はコンクリートの壁がゴールです。 これならば、小倉教師に見付かっても殴られないはず。 ただ、前述した通り使っているボールは非常に柔らかく、風…

体罰 前編

昨今、教師による体罰が大きな問題になることがあります。 いや、散々問題になったので、近頃では沈静化しているところでしょうか。 むしろ教師が手を出していないのに、生徒から手を出したと言われ、ネットで拡散されて大問題になるのを恐れているくらいか…

時計とシーツとパンツと神経症とうつ病

神経質、克服したくでもできない性向です。 些細なことが気になり、その時にしている作業に集中できなくなるのは日常茶飯事。 そのために精神が病んだ一面もあり、というか、二面、三面、下手すれば全面そのせいかもしれません。 今は神経を鈍麻させる薬を多…

風と停電と野次馬と

ふと思い出す過去のこと。 大学三年の時、構内全体が一時的に停電になったことがあります。 風がものすごく強い日で、電力会社管内で電線が切れたか、何かが引っ掛かったのか、あるいは電柱が倒れたかしたのでしょう。 私はいつもの通り一人で研究棟の自習室…

軌跡~ある教員サークルの興亡~144 終

教員サークルに所属していた一年生で、土屋君や片瀬さん以外に大学卒業後の動向が唯一わかっていたのは、意外にも保科君でした。 彼とは自分が一年迷走した挙句に大学院へ進んだ時に、学内で出会いました。 書き忘れていましたが、軍事オタクと共に彼の特徴…

軌跡~ある教員サークルの興亡~143

一応桃野さんたちも、我々が入学した六月くらいまではメンバーを増やそうとしていた気もします。 サークル募集の掲示板にポスターを貼ったりしていました。 でも、それにはあまり熱が入っていなかったように思えます。 性欲を原動力に立ち上げたサークルにお…

軌跡~ある教員サークルの興亡~142

はじめはチェーンを付けたまま、ドアを開けてその隙間を通して話をしていたのですが、桃野さんの声が大きく、他の部屋や近所の迷惑になると考えた片瀬さんは、彼を部屋に入れてしまったのでした。 でも、片瀬さんだって無防備ではありません。 土屋君に連絡…

軌跡~ある教員サークルの興亡~141

それにしても、と大学一年時代を振り返り見ます。 教員サークルとはいったい何だったのか。 真面目な皮を被っていますが、内実はいわゆるヤリサーだったのでは、と考えてしまいます。 異性交遊、特に不純異性交遊を志向したサークルです。 もちろん一時期世…

軌跡~ある教員サークルの興亡~140

「必ずしもそうじゃないと思うぞ。繰り返すけど、お前はまともなんだよ。俺なんかよりずっとな。確かにこのサークルにはまともな奴は俺と河合だけだ。でも、お前は別格なんだよ」 「それはどっち方面に?上?下?」 「上下じゃ計れないな。別次元でだ」 「そ…

軌跡~ある教員サークルの興亡~139

「河合は他に友達がいないから、誰かに漏らすってこともないしな」 (ああ、それでか)と深く納得します。 片瀬さんが、自身の心の病気を誰かれ構わず知らせたいと思うはずがありません。 知られていいとしたら、人形やぬいぐるみのように話を聞くだけの相手…

軌跡~ある教員サークルの興亡~138

「香奈が普通の女の子だったら、そんなにも深い絶望に落ち込むこともなかったかもしれん」 土屋君が言いますが、何を意図しているか掴めません。 「普通の女の子、じゃない?」 「違うんだ、香奈は……」 彼はグラスを持ち上げましたが、もう氷も水も残ってい…

軌跡~ある教員サークルの興亡~137

「そう。その食事の後、香奈にも言ったんだよ。あいつには気を付けろって。でもあいつは信じなくてさ。ちょっとした喧嘩もしたよ。すぐ仲直りしたけどさ」 そこで土屋君は苦笑いを浮かべました。 自虐的に見える笑みです。 「仲直りって言っても、俺が全面的…

軌跡~ある教員サークルの興亡~136

土屋君は打ち明けるかどうかを迷っているのか、ほぼ氷だけになっているグラスを傾けて底に薄く残った薄茶色の水をストローで吸い、唇を湿らせました。 その間手持無沙汰な自分は、店内を何となく見渡したり、BGMが流れていたことに驚いたりしていました。 そ…

軌跡~ある教員サークルの興亡~135

「そのスワッピングを本須賀夫妻がしていると?」 自分が訊くと、土屋君は笑って「そう、あの夫妻がな」と乗ってくれました。 「だから、河合も危ないところだったのかもな。そのスワッピングに巻き込まれそうになったんだから」 「自分は米野さんと付き合っ…

軌跡~ある教員サークルの興亡~134

「ねぇ」 と、その時もそう言いました。 「畑野さんが桃野さん、仁部さん、本須賀さんと男を替えて来た理由は訊いた?」 「相変わらずエグいところを突くな。そこは訊けなかったけど、大体わかる気がするぞ。河合が畑野さんの立場だとしたら、桃野さんと付き…

軌跡~ある教員サークルの興亡~133

「頭おかしいって、どうして?」 「お前も知ってるんだろう?本須賀さんと米野さんがヤったってこと」 「あー、うん。……知ってる」 米野さんから口止めされていないのを思い返しつつ言いました。 内容が内容だけに、秘密にするのが当然だと思っていましたが…