黒と白のうつりかわり
オセロ、この単純にして実は奥深い(らしい)、ボード上にて熱戦が繰り広げられる遊戯。
名前の由来はシェイクスピアの戯曲『オセロ』にあるとされています。
肌が黒いとされるムーア人である主人公オセロと肌の白いデスデモーナという名の女性との目まぐるしい愛の悲劇。
その場面がくるくるとうつりかわる様子から、ゲームの考案者である長谷川五郎氏がこれをゲームの名前に採用したそうな。
元々「リバーシ」という白と黒の石を使った似たルールのゲームがイギリスにありました。
前述の長谷川氏がこれを元にしたのかどうかはわかりませんが、リバーシはオセロほどにはきっちりとしておらず、マス目も8×8ではなく、特に決まっていなかったとのこと。
と、オセロの歴史はともかくとして、実は最近までオセロに強弱があるとは意識せずに来ました。
勝敗は運によると思い込んでいたのです。
ここ二十年くらいオセロに触れる機会もなかったですし。
それが最近、アプリで気軽にできるゲームを探した時に期せずしてこれを見付け、触ってみると意外に奥深い。
コンピューターのレベルもノーマル、ハード等あり、そこでやっとオセロにも強い弱いがあるのだと気付きました。
じゃないと、一般社団法人オセロ連盟も出来ないですね。
そういう団体があるんです。入会金1,000円、年会費3,500円。
そこでは、オセロの全国大会が行われています。
とと、話がまたずれました。
オセロには二十年くらい触れていない、そう書きました。
学生時代の暇で暇で仕方ない時に、幼馴染と地区センターで時間つぶしにやった記憶があるため。
では、その前はというと、家族でやった記憶がありますが、もっと鮮明な思い出は祖父との試合。
自分は小学校の低学年、馬鹿なうえにも馬鹿でした。
だから、祖父にも簡単にオセロに負けてしまい。
何度かやってもどうしても勝てません。
思えばオセロは運ではなく、強い弱いがあると、あの時に気付くべきでした。
本当に馬鹿だった、自分。
子供相手だから負けてあげる、そういうことをしない祖父でした。
厳しいというより、けじめがはっきりしているというか。
何にしても、負けてもそんなに悪い気はしません。
人徳もあるのでしょう。
ただ、一度オセロで大泣きしたことがあります。
というのも、あまりに祖父が強過ぎて、こちらの白が盤面から消えてしまったからです。
ボード上は祖父の持つ黒一色。
さすがにやり過ぎなような気もします。
が、鑑みるに、そこに至るまで自分がしつこく何戦も挑んでいたせいかもしれません。
粘る自分を切り離すにはすっぱり圧勝するしかないと判断したのだと。
今なら、自分の方が理不尽だったのかと思い直すこともできます。
でも、あれ以来自分はオセロを避けていたような気もします。
現に学生時代になるまでずっとあの緑の盤面を見ずに過ごしてきましたから。
祖父は早くに亡くなりました。
60歳ほどほどだったかと。
いい思いでしかありません。
自分が小学生四年くらいの時に旅立ったのです。
血を引くなら、その母方の祖父の方だな、と思ったのを覚えています。
父方の祖父の方は、自分が生まれる前に亡くなっていましたし、父親の血を引きたくなかったのです。どうしても。
でも、引いてしまうんですよね。
家族だから。
髪とか……。