101回目のプロポーズの功罪
モテない男性のバイブル的ドラマ『101回目のプロポーズ』。
自分が何度見ても飽きないドラマです。
ノベライズされた本も買い、本当の聖典として携帯していました。
そういえば、あの本、中学の時に色々な人に貸して、又貸しされて、返ってきたときはカバーもなくなり、ページに染みも付いてボロボロになってた……。
人にものを貸すのが苦手になったきっかけだったように思えます。
『101回目のプロポーズ』、簡単に言えば、見た目も内面もうだつの上がらない男性がオーケストラに属している美人チェリストと見合いをし、何度もフラれ、時に近付き、それでもフラれ、けれど最後には結ばれるというストーリー。
男性の粘り勝ちとも見えます。
ある意味ではストーカーを生み出す危険を孕んでもいる物語ですが。
最近になって主演の武田鉄矢さんのインタビューを見たのですが、割とショックでした。
というのも、彼があのドラマで社会現象ともいえるほどの反響を得ながら、主人公の役が嫌だったと言っていたためです。
役の幅を広げて、しかもモテない男性の希望の星になれたというのに、なんでそんなことを言うのかな、と思ってしまいました。
ですが、優しい視点から見ると、確かにモテない男の役は、役者としては複雑な気持ちになるでしょう。
格好つけてなんぼという世界。
それなのに、その真逆を要求されるというジレンマ。
でも、あのドラマの主人公、不器用ながらも生き方は格好良かったと思うんです。
何度もフラれ、上司と婚約者がくっつきそうになったから会社を辞め、昔からの夢であった弁護士を目指す。
何十万もする指輪を海に投げ捨てる。
思い切ったことを随分としている人です。それだけでも格好いいのに。
ただ反響が大きいからそれで良しとしない武田鉄矢さんのこだわりとも見えます。
確かに、あのドラマで大成功してウハウハですよ、と言ってしまっては薄っぺらい人間に思えます。
とすれば、演じるのが嫌だったけれどあれだけの名演をした彼はすごかったのかと見ることもできる、のでしょう。
ただし、ドラマでの名場面の一つ、ダンプカーの前に飛び出して「僕は死にません」というシーンについて、「あんな馬鹿な話はないよ。交通規則は守らなきゃ」と言って笑いにしようとしていたのは頂けない。
脚本家に文句を言うのならば、その撮影の時に言わないと、と。
ましてやあのドラマで一番心に残るシーンです。
それを後から否定するようなことは、ちょっと格好悪いかなと思ったり。
言い訳ばかりしている人生を歩んでいる自分に、そう言う資格はないような気もしますが。
ドラマのような大恋愛をしてみたい気はします。