享楽からの定位置
うつ病だから生活を楽しめないのか、楽しみや憂さ晴らしがないからうつ病になるのか。
それは卵が先か鶏が先かとの問いと同じで、いくら考えてみても答えが出るものではないように思える。
それでも言えることはあって、うつ病が進むにつれて過去楽しめたことが、今はそうでなくなったという例が実に多いということ。
例えばテレビ。
病気になる前は、鉄腕ダッシュやゴチになります等を面白く見ていたはず。
他は、NHKのクローズアップ現代や午後七時のニュースといった堅苦しいものにも、知的興味を持って目を向けていた。
それが全部面白いと思えなくなり、また、過剰な演出が目や脳にもきつく感じるので、ぱったりと見なくなった。
同じような理由でゲームもしていない。
いや、できない。
あれこそ脳に与える損害が甚大で、電源を切った後に立ち眩みがするほどだった。
最初は3Dゲーム特有の画面酔いかと思っていたけれど、他の奥行きがないゲームをしてみてそうではなかったと判明。
ゲームに備わっている刺激、それ自体が脳を損傷させていたのだと。
テレビ、ゲームと徐々に楽しめるもの、楽しいと思えるものが減って来て、残念かと言うと決してそうとは言い切れず。
むしろ穏やかな時間が増えて、かさぶただらけの綻びかかった心にとっては良かったとも言える、かもしれない。