鬱な現実~うつしぐさ~

うつ病者及びスキゾイド症者の語るしくじりだらけの人生

どこまでも上へ

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ふっと気を抜いた瞬間に脳裏に瞬いた一続きのフレーズ。

 

上に行くこと、立ち止まらないこと、歩き続けること。

 

特に韻を踏んでもいず、言葉のリズムがいいわけでもない。

けれど、これを毎日のように唱えていた時期があった。

 

もちろん登山やウォーキングについての掛け声ではない。

生き方についての指針、大袈裟に言えば座右の銘として意識の玄関口にしっかり釘付けしてあったもの。

 

今から思えば、「うわ……」と後ずさりしたくなる程の意識高い系の文句。

恥ずかしく思い出されるけれど、きっと誰もが同じように自分オリジナルの規範や、好きな芸能人や昔の偉人哲人の口にした警句を胸に秘めて行動した時期があるのではないだろうか。

 

それで何事もなく平穏に暮らしているのであれば問題はない。

けれどその言葉が重くなり出した時、私の経験から言えば、それはすぐに投げ出した方がいい。

仕事でも義務でもない、ただ自分の意思だけが抱えている言葉。

それにすら重みを感じてしまったのならば、その時の精神は相当に弱っている証拠なのだから。

 

もちろん言葉によって助けられることだってある。

自分を支えてくれる言葉を持っている人だって多くいる。

 

一方、私が持ち続けていた「上に行く」との標語は自らを支えるというより引っ張り上げ、叱咤する言葉だった。

強かった時の自分が自分を叱るのだ。

弱った自分にとっては負担にしかならない。

 

そういった、自然状態において負荷と感じる言葉を持たないこと。

それがうつ病改善の一つのきっかけになるとは思う。