まだ遠く
夢を見た。
図書館で働いている夢。
以前に働いていた場所でなく、新しい建物の、新しい部署。
朝のミーティング、開館前の掃除、ドア開け。
自分はカウンターの裏にある書庫で待機。
本の閲覧依頼があったら、それを閉架式書庫を駆け回って取って来る係。
これは以前担当したことのある仕事。
駆け回るというのは、言葉遊びや大袈裟に言っているのでなく、利用者さんを待たせないために本当に書庫内を走っていた。
中くらいの図書館でも、書庫はかなり大きい。
表の開架式書架より、二倍か三倍くらいはあると思う。
国会図書館なんて、ビル一棟くらいの大きさはあった。
夢の中で、そのように過去の自分がしたのと似た仕事をなぞっていたのだけれど、やがて頭が働かなくなってくる。
人と話すのがつらくなってくる。
怠くなり、足がまともに動かなくなる。
うつ病が再発した時と同じ症状。
あれから十年近く経つ。
でも、夢の中で回復していない自分を見た。
夢は夢、そう片付けられない。
夢の中とは言え、自分は自分のできる限りのことをしたという実感があったのだから。
それでも無理だった。
まだ回復は遠いのか。