卒業アルバム
ちょっと元気になると、まずするのは部屋の掃除。
これまでにも散々身辺整理と称して、様々なものを捨てて来た。
これ以上捨てる物はないだろうというくらい徹底して掃除したつもりでも、まだ要らないと思われるものは出て来る。
今回目に留まったものは高校の時の卒業アルバム。
一番いじめが激しかった時の記録。
豆粒、と言うと大袈裟だけれど、親指の爪くらいの大きさの自分の写真がクラス全員分の写真の中に埋没している。
他の人は誰かと一緒に遊んでいたり、食事をしていたり、スポーツをしたりしている。
一人なのは自分くらいだ。
集合写真でなく、一人一人の写真が写っているところに自分のものはない。
卒業式で家に返って来て、まずそれをカッターでくり抜いた。
見たくなかった。
惨めな自分を思い出すから。
でも、今、一人だけくり抜かれたアルバムを見ていると、余計惨めな気持ちになる。
これは要らない気がする。
ほかのクラスメートのことなんて見たくもないし、思い出したくもないから。
燃えるゴミ?
古紙?
捨てよう。