X大学のこと3
その資格学校は、事務の職員が五名おり、講師は常駐しておらず皆どこかから通ってきているようでした。
自分たちは事務方のアルバイトとして働いており、日によって人数はまちまちなのですが、全体で六人くらいはいたと思います。
全員が学生で、内訳はX大学の人が四名、東京なんとか大学の人が一人(理科大学か外語大学だったかと)、上智大学(だったと思う)人が一人、そして自分というX大学成分多めの職場でした。
場所は横浜駅からの徒歩圏だったので、特にX大学が近いわけではなかったのに。
あれでしょうか。
学閥。
たかがアルバイトですが、自分の親しい人を仕事のいいポジションに付かせようという姑息な考え。
もっとも、同じ教育を受けていたら、同じレベルのことが出来、それがメリットとなることもあるかもしれません。
その意味では学閥にも意味があるのか。
自分には関係ない話ですが。
そもそもが人と一緒にいられない人間です。
サークルにもろくに入れず、同級生の集まりにもあまり参加しませんでした。
いや、混ざれなかったのです。嫉妬なのかもしれない。
ともあれ、講義を録画するアルバイトにはX大学の人が多くいました。
四名のうち三名は、まあ、普通の人。いい人と言ってもいいでしょう。
でも、残りの一人が違った。
悪気はなくても言動が煩わしい人っています。
悪気がないからこそ、注意も出来ず余計厄介なのですが。
仮にその最後の一人をK君とします。
K君は自分と同い年。大学三年生でした。
他のX大学の学生は四年生。
どうやら、四年の人たち三名は元から友達同士のよう。
そして、同じサークルか部活かで一学年下にいたK君をこのバイトに誘ったというのがバックグラウンドストーリーだったのかと。
ただ同じ大学というだけにとどまらない、身内受けしかしない笑い話をよくしていましたし。
疎外感は薄々感じました。慣れていたのでどうってことないですが。
そのK君がどのように煩わしいか。
色んな説明の仕方があります。
人を批判する資格など自分にはないので、概要だけを書きますが、例えば彼のメールアドレス。
普通の人のメールアドレスはどんな感じでしょう?
自分の名前やあだ名を入れたり、座右の銘だったり、あるいはまったくの適当だったりするかもしれません。
メルアドを見ると、何となくその人の人となりを窺える一面もあるかと思います。
そして、K君がどういうアドレスを使っていたかというと。
このような感じ。
K0123waseda@docomo~~と。
在学中の大学名を入れるかな、普通。
もしK君が、例えば紅葉山大学(仮名)とか、ものすごいマイナーな大学だったらきっと入れなかったでしょう。
そういうことです。
なんとなく鼻につく。
つまり面倒くさい。
それがK君でした。
彼の性格の一端がここから読み取れるかと思います。
ですが、本当にそれはわずかな一端です。
後に自分は彼の煩わしさをもっと味わうことになりました。