鬱な現実~うつしぐさ~

うつ病者及びスキゾイド症者の語るしくじりだらけの人生

軌跡~ある教員サークルの興亡~86

 

堕落し切った愚者たちが集う空間に、清冽な空気を纏う片瀬さんからの一言。

きまり悪げに各々で顔を見合わせ、目をこすったり、伸びをしたりして気分を変えようとします。

電気が点いている室内より、閉めてある障子の外の方が明るそうです。

部屋の奥で「ピピッピピッ」と音がして、ケータイを目覚まし代わりにしていた本須賀さんが布団から起き上がりました。

彼があくびをしながら障子を開け放ちます。

窓の外の空は真っ青で、その日は曇りがちの前日と違い、清々しく晴れていました。

 

 

片瀬さんが、前夜轟沈した土屋君の様子を見に行くと、今度は二日酔いでグロッキーになっています。

「ぐあぁ……」と呻き、枕から頭を離せない様子。

一方、自分も途中ウトウトしつつもほぼ徹夜であるため、体調がいいとは言えません。

でも、桃野さんがエロ話に夢中になっていたお陰で、こちらのカップにお酒を継ぎ足すのがおろそかになっていたため、それほどにはアルコールの影響はありません。

ただ寝不足なだけです。

 

顔を洗えばすっきりするだろうと、洗面所へ向かうため立ち上がりました。

他のメンバーも適当にテーブルの上を片付け、自分の鞄やリュックからタオルや歯磨きセットを取り出して部屋を出ていきます。

夜はストッパーが壊れていたMさんも、腫れぼったい目をしつつも、朝の用意のため米野さんと共に女子部屋に戻りました。

平然としたものです。

図太いというのでなく、割り切っているというか、夜を引きずっていません。

むしろモジモジしてドギマギしているのは男子の方です。

こういう時、女性って強いものだと実感させられます。

実感するポイントが普通とは違うような気もしますが。

何にしても、昨夜のテンションで来られるとこちらが意識してしまうので、さっぱり切り替えてくれている方が気は楽です。